もうひとつの次元
あまりに素敵な本に出会うと
本のつづきが気になって 心はいつも家に帰りたがる
美味しいおやつと 素敵な本は
ひみつにしたくなるものです
どちらもこっそり楽しむのがいい
美味しいおやつは そっとポケットにしのばせ
素敵な本は 眠りにつく前にこっそりひらく
その幸せの瞬間にはもうひとつの次元がある気がしてならない
それと同じように
手紙をひらく時 そこにももうひとつの次元が
手紙には ふたつの時間が存在すると思う
贈り主の時間と 手紙が持つふたつの時間
過去と未来のふたつの時間
届いたときには もう過去の言葉なのに
不思議とそこには 今となって流れる
手紙が旅の途中 言葉を拾ったかも知れないことを
過去の贈り主は 知らない
まだ言葉が手紙の中にある時 そこに流れていた時間を
未来の受け取り主は 知らない
口からポロッと出た言葉が すぐに言葉になり
打った言葉が世界中に届く今
それはきっと とても便利なのだろうけれど
私は時間をかけて届く このほうが ずっとずっとすきです
今の自分は 待つことを大事にしたいので
春まで待つことを 決めています
大切なものも 届くかも知れないから
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