名前
台風の爪痕が そこかしこにあるけれど
無事に電気も復旧したので ひと安心
日常が戻ってきた
今週末は 土曜日ベーカリー営業できます
先日は この機会に
いらない書類を整理しようと 電気の使える自宅で
先日購入したシュレッダーを早速試していた
これが思いのほか 爽快で
まるで エサを欲しがる雛に
せっせこミミズを探しに行く 親鳥の気分
たくさん食べよと 次々放り込む
ひと通り終わったにも関わらず
まだ ナニカ 粉砕する紙はないか と
ぐるりと見渡すが これと言って もうない
と 同時に
このシュレッダーに名前をつけた日には
シュレッダーの空腹を満たすため
日がな一日 使い古しの しかも個人情報つきの
紙を探すはめになりそうだと 我に返り電源を切る
なんて 元々つけるつもりはないけれど
人にはうっかりという精がついているから
気をつけなければ
名前は ヒトに限らず
授かったり与えたり もしくはついていた時点で
そこに宿るものがあると 思う
モノで言ったら 商品名でもなく
そのものだけが持つ 名前
もうすでについていたとすれば
それを知った時から ひとつの世界が輪郭を見せる
あれは私が 中学生くらいの頃か
ふたつ上の兄は ある時期私のことを
そこの人と呼んだ 反抗期だったのだろうか
今思えば 兄を取り巻くもののひとつとして
輪郭を ぼかしたかったのかも知れない
そういえば
5年前に つけたパンの名前
輪郭だけがあって まだパンがない
はたして完成するのかも いまはまだ
そうしているうちに いつのまにか
こんな遠くまで来てしまったけれど
焦らず 日々の中でパンを焼くうちに
ふいに出会えるかも知れないと思って
誰も知らない 名前だけのパン
私もまだ知らない
秋は ついついどこに辿り着くでもなく
長話になります
明日も朝9時から お待ちしております
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