贈り物
何かひとつスイッチが 入ると
とめどなく べらべらと話続けるのだが
基本 黙っているのも 好きで
騒音は とりわけ苦手
湖みたいだと 誰かが言ったことも
ときおり海よりも荒れるが・・
なんにもない時は 凪よりも さわとも立たない
ただ水がそこにあるだけ
時には 会話を交わすよりも
口を閉じると あるべきことだけが
より伝わるような より聞こえるような気がしている
パンも 顔見ていなくとも
言語を持たない通信役 向こう岸へ行ったら
そしてついにはなくなる
あの方たちが 読まずに食べたのは
そういうことか と ひとり納得
ただ黙々 焼いて詰めて の
贈り物が ここのところ ほんとうに楽しい
黙々なのに なんだか賑やかなのは
コビトの存在か
今夜も 箱のまわりで ひそひそ会議
作り手は 家へと 帰ります
明日もまた
旅をするパン お贈りします
どうぞ お楽しみに
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